Python（パイソン）による業務の効率化

〇事務実務における「Python」の活用

「今後学習したいプログラミング言語」の筆頭に挙げられるほど人気の高い「Python」には、文法がシンプルで扱いやすい、インタプリタのため開発しやすい、機能を拡張できる豊富なライブラリがある、無料のオープンソースソフトウェアである、…といった特長がありますが、それでも事務担当者が個々の事務実務のためにプログラムを組んで活用するというのでは導入のハードルが高過ぎます。
事務業務の実務においては、データ収集⇒業務処理（集計・分析など）⇒報告といった一連のプロセスがありますが、個々の業務処理についてはあくまでＯｆｆｉｃｅのExcelやWordなどで行うことが現実的であり、「Python」の出番としては、データ収集や各プロセス間の連携（インターフェイス）の自動化にあると考えています。
日本では数年前から「ＲＰＡ」によるルーティンワークの自動化が流行していますが、「Python」は使ってみると自動化という面でも「ＲＰＡ」よりは容易でなおかつ自由度も高く、プログラミング内容が（ＩＴ担当者ではなく）実務担当者にもほぼ理解できるという点ではビジネスにおいて重要な業務内容の「共有」・「引継」面でもかなり有効と思われます。また、何よりも無料である点が優れています。

〇本サイトにおける「Python」活用の紹介方針

本サイトでは、プログラミング言語としての「Python」を学んでもらうことが目的ではなく、事務実務における活用法を紹介することに特化したいと考えています。
事務担当者が本格的にプログラミング言語を学ぶことは時間的にも制約が多く一般的にはお勧めできませんが、もし実務に流用できそうなそうなプログラムがあれば、「Ｐython」はインタプリタ方式であるため、多少の知識でそのプログラムを修正して使うことはそれほど難しくはないものと考えます。
筆者自身も「Python」は素人に近いのですが、素人でも容易にプログラミングができて、なおかつ直ぐに実際に活用できる便利さは、たいへん魅力的です。

〇「Python」活用の準備

「Python」のプログラムを活用するには、自身のＰＣに開発・動作環境を設定する必要があります。
「Python」の開発・動作環境には様々なものがありますが、ここでは最もポピュラーな「Anaconda（アナコンダ）」（※）をインストールし、Anacondaをインストールすることで使用できる「Jupyter Lab（ジュピターラボ）」を使ってプログラムを作成し実行させるものとします。

（※）Anacondaは、商用利用では有償となる場合があるようです。

「Anaconda」のインストールについては、Anacondaのホームページからダウンロードする必要がありますが、詳しい手順はＷebサイトや専門書を参考にしてください。
プログラムを作成するには、インストールした「Anaconda」を起動し、表示されるアプリ一覧から「Jupyter Lab」の[Launch]ボタンをクリックします。