〇 育児介護休業法の概要
◇ 育児介護休業法の目的
◇ 条文参照
育児介護休業法(
★2022/04/01改正施行、
★2022/10/01改正施行)
条項 | 内容 |
1条~4条 | 定義、基本的理念等 |
5条~10条 | 育児休業 |
11条~16条 | 介護休業 |
16条の2~16条の4 | 子の看護休暇 |
16条の5~16条の7 | 介護休暇 |
16条の8~20条の2 | 労働時間の制限 |
21条~29条 | 事業主が講ずべき措置 |
52条の2~52条の4 | 紛争の解決 |
53条~61条 | 雑則 |
62条~66条 | 罰則 |
〇 基本的理念
〇 育児休業制度
◇ 育児休業の定義
◇ 育児休業制度の対象となる労働者
◇ 育児休業できる期間と回数
原則として子が1歳に達するまでの連続した一つの期間です(5条)。
子が1歳に達する日において育児休業中であり、かつ保育所等への入所を希望しているが入所できないなどの場合は、1歳6か月に達するまで延長可能です。更に、子が1歳6か月に達する日において育児休業中であり、かつ保育所等への入所を希望しているが入所できないなどの場合は、2歳に達するまで延長可能です。(5条、則6条~6条の2)
労働者が育児休業の申出をすることができる回数は、特別の事情がない限り1人の子につき1回です (5条)。
◇ 育児休業の申出
◇ 育児休業の変更
◇ 育児休業の申出の撤回、育児休業期間の終了
★◇ 「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度(2022/10/01改正施行9条の2~5)
〇 育児のための短時間勤務制度
◇ 育児のための短時間勤務制度の定義
◇ 育児のための短時間勤務制度の対象となる労働者
◇ 育児のための短時間勤務の申出と短縮措置
〇 育児を行う労働者の労働時間の制限
◇ 3歳未満の子の育児を行う労働者の所定外労働の制限
事業主は、3歳未満の子を養育する労働者が請求した場合、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労働時間を超えて労働させてはいけません(16条の8)が、次の労働者は対象外となります。
所定外労働の制限の請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、開始日及び終了日を明らかにして、制限開始予定日の1か月前までにしなければいけません(16条の8)。
所定外労働の制限の期間は、所定外労働の制限を受けている労働者について、子を養育しないこととなった場合、子が3歳に達した場合 、産前産後休業や新たな育児休業又は介護休業が始まった場合などで、労働者の意思にかかわらず終了します(16条の8)。
◇ 小学校就学前の子の育児を行う労働者の時間外労働の制限
事業主は、小学校就学前の子を養育する労働者がその子を養育するために請求した場合、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、36協定の範囲内でも、1か月に24時間、1年に150時間を超える時間外労働(=法定である週40時間、1日8時間を超える時間)をさせてはいけません (17条)が、次の労働者は対象外となります。
時間外労働の制限の請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、開始日及び終了日を明らかにして、制限開始予定日の1か月前までにしなければなりません(17条)。
時間外労働の制限の期間は、時間外労働の制限を受けている労働者について、子を養育しないこととなった場合、子が小学校就学の始期に達した場合 、産前産後休業や新たな育児休業又は介護休業が始まった場合などで、労働者の意思にかかわらず終了します(17条)。
◇ 小学校就学前の子の育児を行う労働者の深夜業の制限
事業主は、事業主は、小学校就学前の子を養育する労働者が、その子を養育するために請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、深夜(午後10 時~午前5時)に労働させてはいけません(19条)が、次の労働者は対象外となります。
深夜業の制限の請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、開始日及び終了日を明らかにして、制限開始予定日の1か月前までにしなければなりません(19条)。
深夜業の制限の期間は、深夜業の制限を受けている労働者について、子を養育しないこととなった場合、 子が小学校就学の始期に達した場合、産前産後休業や新たな育児休業又は介護休業が始まった場合などで、労働者の意思にかかわらず終了します(19条)。
〇 子の看護休暇制度
◇ 子の看護休暇の定義
◇ 子の看護休暇の対象となる労働者
◇ 子の看護休暇の申出
◇ 子の看護休暇を取得できる期間と回数
〇 育児のための事業主の努力義務
◇ 妊娠・出産の申出があった場合の措置
◇ 育児に関する制度の制定と周知
★事業主は、育児休業中の待遇や、育児休業後の賃金・配置などの労働条件に関する事項などをあらかじめ定め、これを周知するよう努力 しなければいけません(2022/04/01改正施行21条の2)。
★事業主は、労働者やその配偶者が妊娠・出産したことを知ったとき、関連する制度について個別に制度を周知したり、個々の労働者に当てはめた具体的な取扱いを明示したりするよう努力しなければいけません(2022/04/01改正施行21条の2)。
◇ 育児休業者の雇用管理や能力開発に関する措置
★事業主は、育児休業申出が円滑に行われるよう、次のいずれかの措置を講じなければいけません(2022/04/01改正施行22条、則71条の2)。
★事業主は、育児休業の申出や育児休業後の就業が円滑に行われるよう、労働者の配置などの雇用管理(原職又は原職相当職に復帰させることなど)や、育児休業期間中の労働者の職業能力の開発・向上等について、必要な措置を行うよう努力しなければいけません(2022/04/01改正施行22条2項)。
◇ 小学校就学前の子を養育する労働者に対する努力義務
〇 育児休業等に関わる不利益取扱いの禁止
〇 介護休業制度
◇ 介護休業の定義
◇ 介護休業制度の対象となる労働者
◇ 介護休業できる期間と回数
◇ 介護休業の申出
◇ 介護休業の変更
◇ 介護休業の申出の撤回、介護休業期間の終了
〇 介護のための短時間勤務等の制度
◇ 介護のための短時間勤務等の制度の定義
◇ 介護のための短時間勤務等の制度の対象となる労働者
◇ 介護のための短時間勤務等の申出と短縮措置
労働者は、事業主に申し出ることにより、介護のための短時間勤務等の制度を利用することができます(23条)。
介護のための短時間勤務等の制度とは、次のいずれかで、 事業主はこのうち少なくとも1つを実施すれば足ります(則74条)。
労働者が介護のための短時間勤務等の制度を利用できる期間は、利用開始日として申し出た日から3年間以上の期間で、(介護サービス費用の助成制度を除き)この間に2回以上利用できます(23条、則74条)。
〇 介護を行う労働者の労働時間の制限
◇ 介護を行う労働者の所定外労働の制限
事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者が請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労働時間を超えて労働させてはいけません(16条の9)が、次の労働者は対象外となります。
所定外労働の制限の請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、開始日及び終了日を明らかにして、制限開始予定日の1か月前までにしなければいけません(16条の9)。 事業主は、労働者に対して請求に係る対象家族が要介護状態にあること等を証明する書類の提出を求める事ができます(則49条)。
所定外労働の制限の期間は、所定外労働の制限を受けている労働者について、対象家族を介護しないこととなった場合、産前産後休業や新たな育児休業又は介護休業が始まった場合などで、労働者の意思にかかわらず終了します(16条の9)。
◇ 介護を行う労働者の時間外労働の制限
事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者が、介護するために請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、1か月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働(=法定である週40時間、1日8時間を超える時間)をさせてはいけません (18条)が、次の労働者は対象外となります。
時間外労働の制限の請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、開始日及び終了日を明らかにして、制限開始予定日の1か月前までにしなければなりません(18条)。
時間外労働の制限の期間は、所定外労働の制限を受けている労働者について、対象家族を介護しないこととなった場合、産前産後休業や新たな育児休業又は介護休業が始まった場合などで、労働者の意思にかかわらず終了します(18条)。
◇ 介護を行う労働者の深夜業の制限
事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者が、介護するために請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、深夜(午後10 時~午前5時)に労働させてはいけません(20条)が、次の労働者は対象外となります。
深夜業の制限の請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、開始日及び終了日を明らかにして、制限開始予定日の1か月前までにしなければなりません(20条)。
深夜業の制限の期間は、深夜業の制限を受けている労働者について、対象家族を介護しないこととなった場合、産前産後休業や新たな育児休業又は介護休業が始まった場合などで、労働者の意思にかかわらず終了します(20条)。
〇 介護休暇制度
◇ 介護休暇の定義
◇ 介護休暇の対象となる労働者
◇ 介護休暇の申出
◇ 介護休暇を取得できる期間と回数
〇 介護のための事業主の努力義務
◇ 介護に関する制度の制定と周知
★事業主は、介護休業中の待遇や、介護休業後の賃金・配置などの労働条件に関する事項などをあらかじめ定め、これを周知するよう努力 しなければいけません(2022/04/01改正施行21条の2)。
★事業主は、労働者が対象家族を介護していることを知ったとき、関連する制度について個別に制度を周知したり、個々の労働者に当てはめた具体的な取扱いを明示したりするよう努力しなければいけません(2022/04/01改正施行21条の2)。
◇ 介護休業者の雇用管理や能力開発に関する措置
◇ 介護を必要とする期間・回数等に配慮した措置
〇 介護休業等に関わる不利益取扱いの禁止
〇 育児休業・介護休業等に関するハラスメントへの事業主の講ずべき措置
◇ 育児休業・介護休業等に関するハラスメントの定義と防止措置
事業主は、育児休業など子の養育や介護休業など家族の介護に関する制度や措置の利用について、職場において(上司や同僚によって)行われる発言や行動により労働者の就業環境が害されることを防止するため、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備など雇用管理上必要な措置を行わなければいけません(25条、則76条)。 ⇒勧告、企業名公表などの行政処分あり。
事業主が雇用管理上講ずべき措置とは、厚生労働大臣の指針により次のようなことが定められており、事業主は、これらを必ず実施しなければいけません。
◇ 育児休業・介護休業等に関する相談等を行った労働者に対する不利益取扱いの禁止
◇ 育児休業・介護休業等に関するハラスメント研修実施の努力義務
〇 育児や介護に関し労働者の配置や再雇用について事業主の講ずべき措置
◇ 育児や介護の状況に配慮した労働者の配置
◇ 育児や介護を理由に退職した労働者の再雇用に関する努力義務
〇 職業家庭両立推進者の選任
〇 紛争の解決
◇ 紛争の解決
事業主は、育児・介護休業法に定める事項に関し、労働者から苦情の申出を受けたときは、労使により構成される苦情処理機関に苦情の処理をゆだねる等その自主的な解決を図るように努めなければいけません (52条の2)。
都道府県労働局長は、育児・介護休業法に定める事項に関し、紛争の当事者である労働者、事業主の双方又は一方からその解決について援助を求められた場合、助言、指導又は勧告を行うことができます(52条の4)。
事業主は、労働者が援助を求めたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはいけません(52条の4)。
〇 行政指導・行政処分等
〇 罰則