労働契約を締結する際に、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知していた場合は、労働契約の内容は就業規則で定める労働条件になります。なお、労働契約で、就業規則と異なる合意をしても原則として有効ですが、就業規則の基準に達しない部分があればその部分については無効となり就業規則で定める基準となります。(7条、12条)
労働者及び使用者の合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができます(8条)。(合意がなければ一方的に変更できません。)
使用者は、原則として、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません(9条)。ただし、変更後の就業規則を労働者に周知し、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況などの事情に照らして合理的なものであるときは、変更後の就業規則により労働条件を変更することができます。この場合、個別の労働契約において、就業規則より有利な労働条件として合意していた部分があれば、その部分は当該労働条件が適用されます。(10条)
就業規則の変更の手続は、労働基準法89条(常時10人以上の労働者を使用する使用者が就業規則を作成し監督署へ届け出る義務)及び90条(就業規則の修正に当たって過半数組合または労働者の過半数代表者の意見を聴き、監督署へ届け出る就業規則に意見書を添付する義務)の定めによります(11条)。
就業規則が労働基準法や労働協約に反する場合は、その部分については無効となり労働基準法や労働協約が適用されます(12条)。