統計から考える新型コロナ
新型コロナ感染の現況について、新規感染者数の増減を中心とした報道が続きますが、データのスケール感も合わせて考えるべく、このコーナーを作りました。
〇 新型コロナ感染の現況(2023/5/8現在)
新型コロナのPCR検査実施件数と新規陽性者数の推移は次のグラフの通りです。基礎データは、厚生労働省のHP(
厚生労働省(新型コロナオープンデータ)
から引用しています。新規陽性者数の直近1週間平均(茶色の折れ線)は、2023/3/下旬~4/上旬を底に緩やかに増加に転じました。なお、新規陽性者数のデータは2023年5月8日で更新が終了しています。
左側の目盛は直近1週間の平均のPCR検査実施件数(折れ線グラフ)、並びに日々の新規陽性者数(棒グラフ)と直近1週間の平均の新規陽性者数(折れ線グラフ)をを表します。
重症者数及び死亡者数の推移は次のグラフの通りです。死亡者累計を仮に15日前の陽性者累計で除したものを「死亡率」と呼ぶと、0.22%で、低下した状態が続いていますす(赤の点線)。
なお、これらの死亡率は新型コロナの致死率ではありません。PCR検査で陽性となった方以外にも、感染していても無症状のためPCR検査を受けていない方など、致死率の母数となるべき総感染者数が分からないからで、実際の致死率はこの「死亡率」より相当低いものと思われます。
左側の目盛は死亡者数と重症者数を、右側の目盛は死亡率を表します。
〇 新型コロナ感染のスケール感(2023/5/8現在)
新規陽性者及び死亡者の累計の折れ線グラフです。死亡者累計のスケールは、陽性者累計の100倍にしていますので、死亡者累計は全体との比較ではかなり少ないことが分かります。
左側の目盛は新規陽性者累計を、右側の目盛は死亡者累計を表します。
日本の全人口125.10百万人(2022年6月現在、日本人122.27百万人+在留外国人2.83百万人)に対する陽性者累計の比率は26.808%、死亡者累計の比率は0.060%となります。
円全体が日本の全人口とした場合における、陽性者累計の比率と死亡者累計の比率を表します。
〇 新型コロナワクチン接種状況(2023/5/8現在)
新型コロナのワクチン接種状況(全人口125.10百万人に対する一般接種、医療従事者等及び職域接種の合計接種率)の推移は次の折れ線グラフの通りで、1回以上接種率は83.70%、2回接種完了率は82.64%、3回接種完了率は69.14%、4回接種完了率は46.82%、5回接種完了率は24.44%です。2023/1以降、ワクチン接種数は著しく低迷しています。基礎データは、首相官邸のHP(
首相官邸(新型コロナワクチン)
)から引用しています。
左側の目盛は全人口に対する接種率(%)を、右側の目盛は1日当たりの接種数(人)を表します。
〇 新型コロナ死者数と自殺者数の推移(2023/4/末現在)
2020年度は自殺者数が11年振りに増加に転じ、新型コロナの感染拡大が影響したとの報道もありましたが、月間の新型コロナ死亡者数と自殺者数の推移は次の通りです。自殺者数の基礎データは、厚生労働省のHP(
厚生労働省(自殺の統計)
)から引用しています。自殺者数は、直近2ヶ月平均で、コロナ前(2019年11月~2020年2月平均)と比較すると一時(2020年11月)31%増と大きく増えましたが、直近では18.0%増です。
月間の新型コロナ死亡者数は棒グラフで表しています。